夜も更けた。
若い攘夷志士らもささやかな宴会を終え、各々自室に帰り束の間の休息を貪っているだろう。
ただ、中心人物の一人、坂田銀時の部屋からは未だ明かりが洩れていた。
「ねぇ君いつになったら帰ってくれるの高杉クン。眠いんですけど。ここ俺の布団って知ってる?」
「だからさっきから言ってるじゃねェか」
銀時がいそいそと敷いた布団は侵入者・高杉によってずかずかと占領されていた。
「なぁ、ヤらせろよ銀時」
「しんどいからまた明日な。サヨナラおやすみ」
「嘘つけ。お前いま凄ぇヤりたそう」
「お前みたいに元気な奴ばっかだと思ったら大間違いなんだよ!ってゆーか『ヤらせろ』って何だお前はヤられる方だろが」
「逆ならいいのかよ」
「よくないわ!もッ帰れよ!な?飴あげるから」
「…分かったよ馬ぁ鹿」
「ほらお前の好きなリンゴの…って、え?あれ?帰るの?」
むくりと体を起こす高杉に銀時は拍子抜けした顔をする。
が。
「今日はこれで許してやるよ」
あぐらで座っていた銀時の膝に、こてんと頭をのせて睨む高杉に言葉が出ない。
「おま…ッ」
銀時は何か言おうとしたが、高杉がそのまま寝息を立て始めたので徒労に終わる。
諦めてその黒髪に手を添える。まるで猫でも撫でている気分。
(タチ悪ィなオイ…)
(もっと素直に甘えろってーの)
白い額にそっと口付けた。
「…いや、俺が寝れないよねコレ…?」
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